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「12Xおらんだ」

12Xoranda

町田 雅之 

 西暦2000年、「ながさき阿蘭陀年」の開幕である。オランダとの交流に代表される長崎県独自の歴史や文化を再認識し、産業の活性化につなげようというこの15か月はまた、オランダに代表される諸外国との新しい交流をひらくきっかけとなる期待が込められている。
この欄で何度か紹介したオランダ人フルーティスト、ウィル・オッフェルマンズが2年ほど前に平戸を初めて訪れたことがきっかけとなり、出島以前にオランダ商館がおかれていた平戸を本拠に、往時のオランダ人と平戸の人々との交流を再現するかのようなプロジェクトが動き始めた。音楽、美術、歴史、言語、自然、食品などのジャンルで活躍するオランダの芸術家、職人、専門家12名に一ヵ月間平戸に滞在してもらい、それぞれの分野での活動と、幅広い市民との交流をすすめるというこの異文化融合プロジェクトは、「12Xおらんだ」と名付けられ、「ながさき阿蘭陀年」の多くのイベントの中でもかなりの期待が寄せられているひとつである。「12Xおらんだ」の「X(エックス)」とは、12「人(回)」が「クロス(交差=交流)」するという意味を持ち、そこから生まれる新しい交流は「未知」の可能性を秘めている。
 99年秋、オランダ国内での参加者募集が始まると、アムステルダムにあるウィルの事務所には「ヒラド」とはどんなところだという問い合わせの電話が、連日のようにかかってきているという。応募者から提案された活動、交流のプランなどを勘案して、まもなく参加者が決定されるだろう。彼等の生活や活動を支援し、交流を深めていくためには、日本側でもいろんな人々の協力が必要になってくる。仮に言葉が通じなくても、あるいは言葉が通じないからこそできる交流がきっとあるに違いない。

2000.01.05掲載 

ながさき阿蘭陀年(ながさき羅針盤HOME PAGE)

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