はばたけ!風神ジュニア


町田 雅之 

 この春、平戸小学校の運動会では4年生全員による「風人飛鸞(ひらん)の舞い」が披露された。平戸地方の民謡「田助ハイヤ」の歌詞を16ビートに乗せて、グラウンドいっぱいの力強い演技であった。
 その2週間後、平戸で没した大航海時代の冒険者、ウィリアム・アダムスを記念する「按針忌」のパーティーの席上、関係者の家族として居合わせた数人の4年生が「舞い」を再演した。その場には、「舞い」の原形である「ハイヤ98」で、昨年夏、多くの若者を惹き付けた風神社中のメンバーもいて、初の「共演」も実現した。このほほえましい共演が、子どもたちをこの踊りで夏の祭りに参加させたいという声となり、有志40名あまりの「風神社中ジュニア」が結成されることになった。
 風神社中は札幌のYosakoiソーラン祭りをきっかけに結成された、地域や職業にこだわらないパフォーマンス集団である。昨夏以来、この「ハイヤ98」を踊りたいという学校の申し出がいくつかあり、風神社中のメンバーはそれぞれに熱意をもって対応してきているという。平戸小学校でも、先生の熱心な指導があることは言うまでもないが、加えてこれからは夏の祭りに向け、数名の風神社中メンバーが、昼間の時間を繰り合わせて「ジュニア」の指導にあたってくれることになった。
 「風神社中ジュニア」は平戸小学校の保護者から始まった動きだが、祭りのあとも、きっと学校区にこだわらない活動に発展していくだろう。どちらかというと酒席で盛り上がっても翌朝には忘れることが多いといわれる父親たちのネットワークだが、この動きが、父親たちの手によって具体化されたことの意味も大きい。
 8月7・8日は平戸南風夜(はいや)風人まつり。風神ジュニアたちの初舞台である。
 


1999.07.27掲載 

                                   
 

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